続・龍を描こう!
今回は、前回お見せした、龍の絵を描いた手順をUPしてみようと思います。
デジタルデータでイラストを描くのが一般的になってきていますが、手書きでなければ出せない風合いがあります。偶然生じる絵の具のにじみとか、手の震えが、奇跡を起こすこともあります。
なんて言うと言いすぎですね。。。でも、描いていてとっても楽しい!
ごいっしょに描いてみませんか?
1.サムネイルで構成を考える
まずは、サムネイルと呼ばれる小さい絵を描いてみて、どんなレイアウトにするとドラマチックになるか考えます。龍のディティールも検討していきます。
どんな頭を魅せるか?角を大きく見せるとかっこいい?目玉を描く?目玉描くと、ありがちな水墨画の龍になりそうなのでやめるか?
どんな姿を見せれば、躍動しているように見えるだろう?上を向いて無限の世界に上昇している縁起物的要素も入れたい。どうすればいいだろうか?
2.下絵を描く
今回は、二等辺三角形のレイアウトにして、無限の未来に向かって上昇する寸前の姿を描くことにしました。頭上には、太陽。
ただの太陽ではなく、幻想的な「MIDNIGHT SUN」白夜の深夜に浮かぶ太陽をイメージしています。色はゴールドがいいな。莫大な富を象徴する太陽です!!!
雲は、激しい風を受けて、生成と消滅を繰り返し続けている巻雲。
龍が向かう方向からは、抗し切れない程の強風が吹き荒れています。それをものともせずに龍は上昇を続けていく。この絵を見ている皆さんの姿に重ねて見てください。背景の下方には、安穏として生きていた過去の自分を象徴するような穏やかな、霞(かすみ)がたなびいています。これも金色がいい。
絵のイメージは、こんな感じです。
3.形を決める
輪郭を整えて、形を決めます。着彩の邪魔にならないように、グレーの0.5mm油性ペンで線を描きます。これで描くと、輪郭が目立たず、自然な着彩ができます。日本画の横山大観みたいな朦朧体(輪郭があいまいな絵)を目指したいと思っているので。
さらにディティールを突き詰めていきます。
下絵の完成です。
4.着彩
いよいよ色をつけていきます。水彩で描こうと思っているので、ちょっとしたテクニックを使います。
水彩画を描くと気になるのが、乾いた時に表面がボコボコになること。それを防ぎます。シナ合板の上に先ほど描いた下絵を水張りします。
この絵は、水墨画の雰囲気と龍の濃緑の色を出すために全て、濃緑のトーナル配色(くすんだグレーがかった配色です。)でまとめようと考えているので、下塗りで薄い濃緑色を全体に塗ってしまいます。
一気に塗って!ひたすら乾くのを待つ。。。
乾くと、ほら、ボコボコが無くなって表面がピンと張っています。これから龍の本体を塗っていきます。
濃淡を見ながら、明るいところから塗り始めて、徐々に暗い部分に色を載せていきます。全体のボリュームと光の方向と反射の具合をイメージしながら、どこを明るくするか、どこに影ができるかを考えながら塗っていきます。
だいぶ、まとまってきました。もっと背景を濃くしよう。太陽を金色に塗って・・・
落款とスタジオ銘を入れて完成!!
アナログは、失敗が許されない恐怖があって、なかなか先に進めなくなる瞬間が来ることがあります。
それでも、あえて進みましょう。失敗を繰り返すと、リカバリーする力もついてきます。リカバリー出来た時、自分の創造を超えるような絵が完成したりすることもあるのですよ!!!
まずは、描いてみましょう!!!
設計の白比でした。